「分譲マンションの壁から、急に水がじわじわと染み出してきた……!」
「壁紙が浮いて濡れているけれど、これって雨漏り?どうすればいいの?」
ハカセある日突然、自分のマンションの部屋の壁から雨漏りが起きたら、パニックになってしまいますよね
結論からお伝えすると、分譲マンションの壁から雨漏りが発生した場合は、自分で外壁を修理しようとせず、すぐに「写真で証拠を撮り」、管理会社(または管理組合)に連絡するのが鉄則です。
なぜなら、マンションの「外壁」は居住者の共有財産である「共用部分(きょうようぶぶん)」にあたるため、原則として管理組合の責任で修理を行うルールになっているからです。
この記事では、年間数多くの雨漏り相談を受ける「雨漏り研究所」が、分譲マンションの壁からの雨漏りに対する正しい対処法を、専門用語を使わずにわかりやすく解説します。
壁から雨漏りしたら「水受け+撮影+管理会社へ連絡」が最優先!

まずは一番大切な結論からお話しします。
部屋の壁から水が漏れてきたら、以下の3つの行動を最優先で行ってください。
- 水を受け止め、家具や家財を守る(応急処置)
- 雨漏りの様子をスマホで「写真・動画」に記録する
- すぐにマンションの「管理会社」または「管理組合」へ電話する
なぜこの3つが最優先なのか?
マンションの壁からの雨漏りは、戸建て住宅の雨漏りとは違って「自分ひとりの判断で勝手に壁や外壁を工事してはいけない」という法律上のルール(建物の区分所有等に関する法律)があるからです。
また、雨漏りの被害が広がると、下層階の部屋へ水が漏れてしまったり、壁の中にカビが大量発生して健康を害したりするリスクがあります。
りくだからこそ、初期対応のスピードと正確な状況記録が何よりも大切なのです
具体的な行動例
例えば、大雨の日にリビングの窓際の壁紙が濡れて、雫が垂れてきたとします。
- やっていいこと:床にタオルやビニールシートを敷き、バケツを置く。スマホで「どこの壁から、どのように水が出ているか」を動画で撮影する。管理会社の緊急連絡先へ電話する。
- やってはいけないこと:外に出てハシゴをかけ、自分で外壁のひび割れにホームセンターのコーキング剤を塗る。
りく自己判断で処置をしてしまうと、管理組合が加入している保険が使えなくなったり、壁の中に水を閉じ込めてしまってますます劣化を早めたりする恐れがあります
まとめ
分譲マンションの壁の雨漏りは、「自分の部屋の被害を食い止めつつ、すぐに管理のプロにバトンタッチする」のが解決への最短ルートです。
なぜ?分譲マンションの「壁」から雨漏りが発生する4つの原因

ハカセ「そもそも、頑丈な鉄筋コンクリートでできたマンションの壁から、どうして雨水が入ってくるの?」と疑問に思う方も多いでしょう
分譲マンションの壁から雨漏りが起こる主な原因は、外壁の経年劣化(古くなること)や建物の隙間にあります。代表的な4つの原因を詳しく見ていきましょう。
1. 外壁コンクリートのひび割れ(クラック)
マンションの壁は強固なコンクリートで作られていますが、地震の揺れや気温の変化による伸縮、経年劣化によって、目に見えない小さなひび割れ(クラック)が発生します。
幅が0.3ミリ以上のひび割れができると、強い風を伴う雨が降った際に、その隙間から雨水がじわじわと内部へ侵入します。侵入した水はコンクリート内部を通って、あなたの部屋の壁紙の内側へとたどり着くのです。
2. タイルや目地(シーリング・コーキング)の劣化
多くのマンションの外壁には、見た目を美しくし保護するために「タイル」が貼られていたり、コンクリート同士の繋ぎ目にゴムのような素材(シーリング・コーキング)が詰められています。
このシーリング材は、紫外線を浴び続けることで10年ほど経つと硬くなり、ひび割れたり隙間が空いたりします。その隙間が雨水の「通り道」になってしまうのです。
3. 窓枠(サッシ)まわりの隙間
壁からの雨漏りで特に多いのが、窓枠(アルミサッシ)と外壁の境界部分からの侵入です。
窓枠のまわりにも防水用のシーリング材が充填されていますが、これが劣化すると、強い横振りの雨の時に窓枠の脇や下側の壁から浸水してきます。「窓を閉めているのに、窓の横の壁紙が濡れてきた」という場合は、このサッシまわりの防水切れが疑われます。
4. ベランダやバルコニーの防水層の破損・排水口の詰まり
上階や自分の部屋のベランダ(バルコニー)の床には、雨水を弾くための「防水塗装」が施されています。
この防水層が破れていたり、排水口にゴミや落ち葉が詰まって水が溜まったりすると、逃げ場を失った雨水が外壁と床の接合部から壁の内部へと染み込んでいきます。
| 雨漏りの発生場所 | 主な原因 | 症状の例 |
| 部屋の広い壁の中央 | 外壁コンクリートのひび割れ | 壁紙にシミができる、壁紙が浮いてくる |
| 窓の横や下の壁 | 窓サッシ周りのシーリング劣化 | 窓の脇から水が垂れる、木枠が腐る |
| 天井に近い壁の上部 | 上階のベランダ防水劣化・ひび | 天井と壁の境界線から水が染み出す |
| エアコン穴の周辺 | エアコンダクトの穴埋めパテの劣化 | パテの隙間から雨水が伝ってくる |
分譲マンションの雨漏り「責任と修理費用」は誰が払う?

分譲マンションで雨漏りが起きたとき、最も気になるのが「修理費用は誰が払うのか?」という点ですよね。
結論から言うと、原因が「共用部分(外壁など)」にある場合、修理費用は管理組合(修繕積立金や保険)が負担するため、あなたが個人で払う必要はありません。
ただし、原因の場所によって責任の所在が「共用部分」と「専有部分(個人)」に分かれます。わかりやすく整理してみましょう。
「共用部分」と「専有部分」の違いとは?
マンションの建物は、法律上ふたつの部分に分かれています。
- 専有部分(せんゆうぶぶん):あなたが買い取った「部屋の内部(インテリア、壁紙の内側、室内設備など)」
- 共用部分(きょうようぶぶん):住民みんなで使う「建物の構造(外壁、屋根、廊下、バルコニー、階段など)」
原因別の費用負担まとめ
① 外壁のひび割れやサッシ境界からの雨漏りの場合
- 責任の所在:共用部分
- 費用負担:管理組合(修繕積立金またはマンション総合保険)
外壁は住民全員の所有物であるため、外壁のひび割れを治す工事費用は、管理組合がストックしている「修繕積立金」や、マンション全体で加入している「火災保険」から支払われます。
② あなたがベランダの排水口を詰まらせて溢れさせた場合
- 責任の所在:専有部分(管理不備)
- 費用負担:あなた個人(個人賠償責任保険が使える場合あり)
ベランダ自体は共用部分ですが、「日常の掃除を怠って排水口を詰まらせ、水が溢れて下階や自室の壁に漏れた」というように、個人の使い方に落ち度がある場合は、個人の責任(自己負担)となるケースがあります。
③ 上の階の住人の部屋(洗濯機のホース外れなど)が原因の場合
- 責任の所在:上階の居住者
- 費用負担:上階の居住者(上階の方が加入している個人賠償責任保険)
※雨漏りではなく「漏水(水漏れ)」事故にあたります。
【実践】分譲マンションの壁から雨漏りした時の正しい対処法5ステップ

ここからは、実際に壁から雨漏りが発生したときに、どのような手順で動けば損をせずスムーズに解決できるかを5つのステップで解説します。
【ステップ1】被害箇所の写真・動画を撮影する
↓
【ステップ2】室内を守るための応急処置を行う
↓
【ステップ3】管理会社・管理組合へ速やかに連絡する
↓
【ステップ4】加入している保険会社(火災保険)に相談する
↓
【ステップ5】専門業者による現場調査・修繕工事に立ち会う
ひとつずつ具体的に解説します。
ステップ1:被害箇所の写真・動画を撮影する(最優先!)
雨漏りを発見したら、バケツを置く前に、まずスマホで写真や動画を撮影してください。
なぜ写真・動画が重要なのか?(Reason)
雨漏りは「雨が止むと一時的に収まる」ことが多いからです。業者が到着したときや、管理会社が確認に来たときに濡れていないと、「どこからどれくらい漏れていたのか」が正確に伝わらず、原因特定や保険金請求が難しくなってしまいます。
撮影するポイント
- 引きの映像:部屋のどこ(リビングの東側の壁など)で起きているかがわかる全体の写真
- 寄りの映像:水滴が垂れている場所、壁紙の膨らみ、シミのズーム写真
- 動画:水がポタポタ落ちる音や、染み出てくるスピードが伝わる10〜20秒程度の動画
ステップ2:室内を守るための応急処置を行う
撮影が終わったら、これ以上被害が広がらないように応急処置を行います。
① 家具や家電製品を移動させる
壁際にあるテレビ、パソコン、ソファ、棚などを壁から離します。動かせない大型家具や家電には、指定ゴミ袋を開いたものやレジャーシートをかぶせて水濡れを防ぎましょう。
② 床にシートを敷き、タオルやバケツで水を受ける
床(フローリングや畳)に水が染み込むと、床材が腐ったり、下の階の天井へ水が漏れて二次被害に繋がります。
- 床にビニールシートや新聞紙を広く敷く
- その上に不要なフェイスタオルや吸水マットを置く
- 水滴が跳ねないように、バケツの中にタオルを敷いて水を受ける
③ 壁紙の膨らみは無理に破らない
水が溜まって壁紙が風船のように膨らむことがあります。「突っついて水を抜きたい」と思うかもしれませんが、一気に水が溢れ出して床が水浸しになる危険があります。基本的には触らず、管理会社の指示を仰ぎましょう。
ステップ3:管理会社・管理組合へ速やかに連絡する
応急処置ができたら、マンションの「管理会社」または「管理組合の理事長」に連絡します。
分譲マンションの契約書類や、1階のエントランス(掲示板)に緊急連絡先が記載されていることが多いので確認しましょう。
管理会社へ伝えるべき内容チェックリスト
お電話口では、以下の内容を落ち着いて伝えてください。
- 自分の部屋番号と名前
- 雨漏りが発生している場所(例:「リビングの窓の右側の壁から」)
- 漏れ方の状況(例:「じわじわとシミが広がっている」「ポタポタと落ちている」)
- 発生した日時と天気(例:「今朝10時頃、強い雨と風が吹き始めてから」)
- 写真や動画を撮影済みであること
電話対応後、管理会社の担当者が現地確認に訪れるか、提携している防水業者・修理業者を手配してくれます。
ステップ4:加入している保険(火災保険)を確認する
マンションの壁からの雨漏りでは、保険金を利用して室内の修繕ができる可能性が高いです。
使う可能性がある保険は以下の2つです。
1. 管理組合が加入している「マンション総合保険」
建物全体の修繕(外壁の補修など)や、共用部分の欠陥によって発生した専有部分の被害補償に使われます。
2. あなた個人が加入している「火災保険(家財保険)」
自分の部屋の壁紙張り替え費用や、濡れて使えなくなった家具・家電の補償に使える場合があります。特に「風災特許」や「水濡れ補償」がついているか確認しましょう。
※保険の申請には、ステップ1で撮影した「被害写真」と、業者が作成する「修理見積書」が必要になります。捨てずに保管しておきましょう。
ステップ5:専門業者による現場調査・修繕工事
管理会社が手配した雨漏り修理業者(または防水業者)が訪問し、原因を特定するための調査を行います。
主な雨漏り調査の方法
- 目視調査:外壁のひび割れやシーリングの切れをプロの目で確認する
- 散水調査(さんすいちょうさ):雨漏りが疑われる外壁にシャワーで水をかけ、再現テストを行う
- 赤外線カメラ調査:外壁や室内の温度変化を赤外線カメラで撮影し、水が通っているルートを突き止める
調査によって原因が特定されたら、外壁の補修工事や、室内壁紙の張り替え工事へと進みます。
【やっちゃダメ!NG行動3選】マンションの壁の雨漏りで

壁から水が入ってくると焦ってしまい、「なんとか自分で直さなきゃ!」と思ってしまいがちですが、分譲マンションでは絶対に避けるべき3つのNG行動があります。
NG行動1:DIYで外壁や窓枠にコーキング材を塗ってしまう
「ホームセンターでシーリング剤を買ってきて、外壁のひび割れを埋めれば止まるのでは?」と考える方がいます。しかし、これは絶対にやめてください。
- 理由1(法律):外壁は「共用部分」なので、個人が勝手に手を加えることは管理規約違反になります。
- 理由2(技術):雨漏りの経路は非常に複雑です。間違った場所を塞ぐと、内部に入った水の逃げ場がなくなり、別の場所から大量に水が吹き出す原因になります。
NG行動2:管理会社を通さずに、個人で業者を呼んで修理してしまう
焦るあまり、ネットで見つけた雨漏り修理業者に自分で電話し、その場で契約・修理をしてもらうのも危険です。
なぜなら、管理会社や管理組合を通さずに勝手に直してしまうと、後から修繕費用を管理組合に請求できなくなる可能性が高いからです。
「本来なら管理組合の保険で全額カバーできたのに、自腹になってしまった……」という失敗談は非常に多いため、必ず管理会社をワンクッション挟みましょう。
NG行動3:少しの濡れだからと「様子見(放置)」する
「雨が止んだら水も止まったし、雑巾で拭いたから大丈夫かな」と放置するのは最も危険です。
壁の内部に浸入した雨水は、目に見えない場所で着実に建物を蝕んでいきます。時間が経つと以下のような恐ろしい二次被害を引き起こします。
雨漏りを放置するとどうなる?3つの恐ろしい二次被害

「たかが壁のシミ」と放置してしまうと、後から莫大な修繕費がかかったり、ご自身の健康を害したりすることになります。
1. 壁の内部に「大量のカビ」が発生する
壁紙の表面は乾いて見えても、壁の裏側の石膏ボードや断熱材は湿気を吸い込んだままになっています。
そこにカビが繁殖すると、部屋中にカビの胞子が撒き散らされ、喘息(ぜんそく)やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの健康被害を引き起こす原因になります。特に小さなお子様や高齢者、ペットがいるご家庭は注意が必要です。
ハカセ実際に筆者の知り合いに、カビが繁殖した時期にぜんそくになった方がいます
りく雨漏り以外でも、観葉植物が多すぎたり、マット類・本や雑誌なども家の中に置いておくとカビの原因になる場合があるよ!
2. 鉄筋のサビ・コンクリートの爆裂
マンションの骨組みである鉄筋コンクリート内部に水が届くと、中の鉄筋がサビて太くなります。
膨張した鉄筋が内側からコンクリートを押し破壊する現象を「爆裂(ばくれつ)」と呼びます。建物の強度や耐久性が著しく低下し、資産価値が下がってしまいます。
3. シロアリの発生・電気配線のショート
水を含んで湿った木材や石膏ボードは、シロアリの大好物です。
また、壁の内部を通っている電気配線に雨水がかかると、漏電(ろうでん)を起こして家電製品が故障したり、最悪の場合は漏電火災を引き起こす危険性もあります。
マンションの壁の雨漏りで「よくある質問(FAQ)」
ここで、マンションの壁からの雨漏りに関して、お客様からよく寄せられる質問にQ&A形式でお答えします。
Q1. 賃貸マンションと分譲マンションで対応は違いますか?
A. 連絡先と責任の範囲が異なります。
- 賃貸マンションの場合:部屋の所有権は大家さんにあるため、連絡先は「管理会社または大家さん」になります。入居者の過失でない限り、修繕費用は100%大家さん側の負担となります。
- 分譲マンションの場合:あなたは部屋の「区分所有者」となります。共用部分(外壁)の管理責任は「管理組合」にあり、室内の家具などの損害は「ご自身の家財保険」等で対応することになります。
Q2. 壁の雨漏りなのか、上階からの水漏れ(漏水)なのか見分けがつきません。
A. 雨が降っている「タイミング」と「濡れている場所」で予測ができます。
- 雨漏りの特徴:「強い雨が降っている時だけ」水が出てくる。窓際や外壁に面した壁が濡れる。
- 上階からの水漏れの特徴:「晴れの日でも」水が落ちてくる。部屋の中央の天井や壁、お風呂・トイレの近くから水が出る(給排水管の破裂などの可能性)。
どちらの場合でも、まずは管理会社へ連絡して調査してもらうのが確実です。
Q3. 雨漏りで濡れてダメになった「家電や家具」は買い替えてもらえますか?
A. 原則として、ご自身が加入している「火災保険(家財保険)」で補償を受けることになります。
「外壁の管理不足なんだから、管理組合に新品のテレビ代を弁償してほしい!」と思われるかもしれませんが、法律上(民法)、管理組合に「明らかな過失(危険だと知っていたのに長年放置していたなど)」がない限り、賠償責任を問うのは難しいとされています。
そのため、ご自身の「家財保険」を活用して補償を受けるのが一般的で確実な方法です。
まとめ
分譲マンションの壁から雨漏りが発生した際のポイントを、もう一度おさらいしましょう。分譲マンションの壁の雨漏りは、焦らず「管理会社」へ連携しましょう。
- まずは焦らず「写真・動画」で被害の証拠を残す
- 床にシートを敷き、バケツやタオルで応急処置を行う
- 自分で外壁を修理しようとせず、すぐに「管理会社・管理組合」へ電話する
- 修理費用は外壁(共用部分)が原因なら管理組合負担!
- 自分の家財を守るために、加入している「火災保険」の確認も忘れない
マンションの雨漏りは、戸建て住宅と違って「建物全体のルール(管理規約)」に基づいて対応を進める必要があります。
「どこに相談すればいいかわからない」「管理会社の対応が遅くて不安」「本当に外壁が原因なのかプロの目で調査してほしい」とお悩みの際は、ぜひ雨漏り研究所(amamorilab.com)にご相談ください。
雨漏りの専門家が、あなたの大切な住まいと暮らしを守るために、最適な解決策をご提案いたします。まずは落ち着いて、最初の一歩である「写真撮影と応急処置」から始めてみてくださいね。

